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アレルギーコラム

知っておきたい「アレルギー」のこと

年々増えている「アレルギー」。
小さな子どもを持つパパ・ママも知っておきたい「アレルギー」の情報をお届けします。

2017.02.21

WRITTEN BY

加藤 美奈子一般社団法人環境アレルギーアドバイザー支援ネットワーク愛知

ブログ

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「シックハウス症候群」とは身近な問題

 みなさんこんにちは。環境アレルギーアドバイザー加藤です。
 環境由来の健康問題にはアレルギーやシックハウス症候群などがありますが、今回は室内空質の悪化において引き起こされる問題について考えてみましょう。

1日で吸う空気量

 人の1日の吸入量はおおよそ15kg前後になります。食事から摂取する1日の量は約1〜2kg、水分は約2〜3Lだと考えると相当な量になります。
 飲食することに比べ意識することがない呼吸。この呼吸の大切さを教えてくれた健康被害の一つとして知られているのがシックハウス症候群です。

シックハウス症候群とは

 シックハウスを日本語にすると「病んでいる家」になります。一般的に住居内での室内汚染に由来する様々な健康障害を総称して、シックハウス症候群と呼びます。シックハウス症候群の最も大きな原因は、化学物質を放散する建材・内装材などの使用および換気不足による室内空気汚染です。様々な化学物質で汚染された室内空気環境により、居住者に腹痛や吐き気、目の痛み、めまい、平衡感覚の失調、呼吸不全、疲労などの様々な健康障害を引き起こします。
 化学物質が体内に取り込まれることによって引き起こされる健康障害には「アレルギー」「化学物質過敏症」などがありますが、その起因するところが主に住居内である場合は、シックハウス症候群に含めて総称されることもあります。
 また、ダニ・カビの増加による健康への影響もこのシックハウス症候群に含まれます。
 このように様々な複合的な要因があると考えられることや、症状が多種多様で、症状発生の仕組みをはじめ、未解明な部分も多いため、シックハウス症候群という呼称は便宜的に用いられている名称であり、まだ病気として医学的に定義された名称ではありません。そのため病院で治療を受けた際の診断書では「中枢神経機能障害」などとされる場合もあります。また、室内空気汚染だけではなく、食品や医薬品などによる化学物質の経口摂取量の増加なども関係しているともいわれています。

参考文献:
「シックハウス診断士 公式テキスト」制作・発行:特定非営利活動法人シックハウス診断士協会
「環境アレルギーアドバイザー試験公式テキスト」著者:一般社団法人日本環境保健機構

例えば私のエピソード

 私のシックハウス症候群のエピソードです。
 私はアレルギー体質で、小児性アトピー性皮膚炎でした。喘息はありませんが、全体の皮膚は薄いです。花粉の時期は検査データでは異常なしという結果ですが、春はいつも鼻炎で皮膚に赤みが出てかゆくなる症状が出ています。
 先日、東京のある施設に所用で伺うとその室内には紙製品がたくさん販売されていました。また真新しい施設でとても広く綺麗でしたが、私は入って15分も経たないうちに気持ち悪くなり、お腹が痛くなりトイレに駆け込んでしまいました。とても急な症状で私は自分でも驚きました。それまで全くお腹の症状も何もなかったのですが、その室内に入ったとたんに起きました。しかし不思議なことに外に出ると症状が治まりました。症状は人それぞれですが、いわゆるシックハウス症候群の症状が私の場合、お腹にでるということなのです。
 その施設は公共に近いものですので毎日いろいろな人が出入りします。私の個人的な意見ですが、建築材と商品から揮発される化学物質による室内空気への悪影響も考えられるので、換気が充分にされるとありがたいなと思います。

換気の種類

 次に、換気についてお話しします。
 換気は温度差による空気の流れ、風圧などの自然の力を利用して換気する自然換気と、換気扇などを使って強制的に空気の流れを作って換気する機械換気にわけられます。

【換気のポイント】
・朝晩の窓開け
・換気口はこまめに開口
・換気は空気の流れを工夫し、効率的な換気を行う
・換気扇を使う
・晴天の温度の低い時間帯に行う
・掃除をする時は、窓を全開にして換気をする
・料理中、湯沸かし器、ガスコンロなどの燃焼器具使用時は換気扇を回し続ける
・喫煙は換気扇のある場所でするか、窓を開ける
・使用しない部屋も換気が行き届いているか確認する
・押入れは一日に日中3時間などと時間を決めて開けておく
・締め切っているときには浴室、トイレ、台所などの換気扇を時々回す
・空気が流れにくく、よどんでしまう場所では扇風機などを利用する。
・開放型のストーブやファンヒーターを使う時は、定期的に窓を開けて外気を取り入れる

参考文献:
「シックハウス診断士公式テキスト」制作・発行:特定非営利活動法人シックハウス診断士協会

 このようにたくさんの換気の工夫があります。
 ある建築士がセミナーで言われていました。「どんなに立派な換気設備をつくろうとも、自然換気にはかなわない」と言われていました。
 無料でできるのが一番低コストで行いやすいですよね。毎日のことですので、ぜひこの換気について一度見直してみませんか?ダニ・カビの数も減り、建物が朽ちるスピードもきっと減りますよ。

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加藤 美奈子一般社団法人環境アレルギーアドバイザー支援ネットワーク愛知

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