近年、古民家ホテルやオシャレなカフェが立ち並び、話題のスポットとして注目されている滋賀の中心地・大津。そんな大津の駅近くにまたもや新たなスポット・古民家カフェ「MOV’S TOWN&COFFEE」がオープンしました。
使用されている家屋は、かつて東海道五十三次の53番目の宿場「大津宿」として使用された築90年の歴史を誇る町家。昔懐かしい雰囲気漂う店内では、国内屈指のアドバンスドコーヒーマイスターが焙煎した美味しいコーヒーをゆったり楽しむことができます。
またこちらのカフェは「木の家専門店 谷口工務店」によってプロデュースされており、その和と北欧インテリアとが織りなす温かみ溢れる洗練された空間も見所の一つとなっていますよ。早速、moa編集部も取材に行ってきたので「MOV’S TOWN&COFFEE」の見所をたっぷりご紹介します!
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和と北欧が織りなす温かみ溢れるオシャレな空間はおうちのインテリアの参考にも
JR大津駅より徒歩3分、商店街の入り口に差し掛かってすぐのところに現れるカフェ「MOV’S TOWN&COFFEE」。その姿はかつて旅人で賑わっていた港町・大津を彷彿とさせ、見知らぬ人もつい足を止め訪れてみたくなる雰囲気が漂っています。大正時代に建てられたこちらの建物は、その昔旅人が素泊まりするための簡単な宿として使用されていたそうです。
昔ながらの木戸を開け店内へ一歩足を踏み入れると、和の定番である土間や土壁、ガラス戸が現れ、日本人なら誰もがほっとする昔ながらの空間が現れます。リフォームにあたって、昔らしさを大切に残しつつも大工の技術で手直し等を加え、昔と今とが互いに共存し合う空間が見事に実現しています。
実は、こちらの建物は3年前に谷口工務店によってリフォームされ、以前は谷口工務店のショールームとして利用されていました。その後、ショールームという敷居の高さを下げもっとたくさんの方に素敵な空間を楽しんでもらいたい、という想いからカフェとしてこの程オープンされました。
木の温かみが存分に生かされつつも、どこか洗練された上質な雰囲気が漂っているのは和の中に違和感なく溶け込む北欧インテリアが醸し出すもの。日本人でも愛用者の多い北欧家具は、オシャレで温かみ溢れるだけでなく機能性も抜群! さらに、シンプルなデザインは日本の家屋とも相性がいいことを同店のインテリアで体感することができます。
また、店内を見回してみると気付くのは、カウンター席やテーブル席、ソファ席の椅子が全て異なる椅子が使用されていること。座るとすっと背筋が伸びる読書向きの椅子や、ゆったりとくつろげる椅子。足を楽に伸ばせるものなど「自分好みの椅子を見つけられるように」との店主の想いが込められています。
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北欧では、一年のうちのほとんどが冬の極寒で、外も暗いため家の中で過ごすのがほとんど。そうした気候の中でいかに生活を楽しくさせるか、居心地のいい空間を作り上げることができるか、という知恵が人々の中に備わっているのだそう。
ほっと安らぐ椅子や円卓を囲む人々の顔を、ろうそくのような優しい灯りで照らし出すペンダントライト。思わず触れてみたくなるような手作りの温かみあるじゅうたんなど、店内では北欧の人生を楽しむための知恵を垣間見ることができます。おうちのインテリアにも参考にしたいですね。
なお、同店の店主である奥藤さんは谷口工務店で設計などのお仕事もされていたので、インテリアのご相談にも気軽に乗ってもらえますよ。
国内屈指のアドバンスドコーヒーマイスターが手間暇かけて焙煎を施したコーヒー豆を使用した本格コーヒー
そんな素敵な空間を存分に堪能したところで、いよいよ美味しい本格コーヒーを頂くことに。こちらで扱われているコーヒーは、守山市にある米安珈琲焙煎所のものを取り扱っており、こちらはコーヒー好きの方なら知る人ぞ知る場所なのだそう。こちらでは、国内屈指のアドバンスドコーヒーマイスターがハンドピック(焙煎の前にあらかじめゴミや質の悪い豆を取り除く作業)から焙煎までを丁寧に施した、こだわりのコーヒー豆がお店で使用されています。
「MOV’S TOWN&COFFEE」の店主・奥藤さんも、実際に米安珈琲焙煎所の師匠の元で珈琲のことを一から教わり修行されたそうで、初めて米安珈琲焙煎所のコーヒーを口にしたときには、そのクリアで上質な旨味に驚き今まで口にしてきたコーヒーとの違いに驚かれたのだとか。
「MOV’S TOWN&COFFEE」ではそんなこだわりのコーヒーの中から、パナマ・コスタリカとブラジル産をブレンドした中煎りの「琵琶湖ブレンド」と、ブラジルとタンザニアをブレンドした中深煎りの「百町ブレンド」の二種類を味わうことができます。
また、「コーヒーの味はもちろん、一杯のコーヒーを淹れる時間もエンターテインメントのように楽しんでもらいたい」という奥藤さんの想いから、同店ではそのコーヒーがハンドドリップされていく「待つ」時間も醍醐味の一つとなっています。編集部もそんなショーをカウンター席で贅沢に堪能させて頂くことに。
ハンドドリップで淹れるコーヒーを「待つ」時間。贅沢なひとときを味わって
豆の美味しさを損なわない最適の温度で、ピカピカのアルミポットから細いお湯がフィルターにゆっくりゆっくり注がれていきます。少量のお湯で、小さな「の」の字を描くように、丁寧にじっくりと・・その作業が何度も何度も繰り返されます。
カウンター後方から控えめに流れるクラシックが、その場の空気を盛り立てます。BGMは天気や時間によって変えられているのだそう。フィルターからポタポタと落ちるコーヒーの雫が、サーバーの中で小気味いいダンスを踊るように音を立て、店内にはいつしか香ばしい香りが立ち込める…。そんな何ともいえない贅沢なひとときが店内の雰囲気と絶妙にマッチします。
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「訪れる方に、当たりはずれのない美味しいコーヒーを味わってもらいたい」と語る奥藤さんのひたむきな熱意が織りなす一杯のエンターテイメントに、思わず取材を忘れ見入ってしまいそうになっていたところでコーヒーの抽出が終わり、いよいよ…。と思いきや、最後にサーバーごと加熱され、ようやくカップに注がれるのです。この際のカップもあらかじめ温められたものが使用されており、奥藤さんいわく「カップが口に触れた時にひやっとした感覚でなく、さらっと楽しんでもらえるように」との心遣いから。シンプルな北欧の白のカップが、コーヒーをより美味しく魅せてくれます。
まずはじめに、同店でしか飲めないというオリジナルの百町ブレンドを頂くことに。奥藤さんいわく、バランスがいい飲み心地だという百町ブレンドは、渋みのある香りですがさらっとした飲み心地でコクがあり、後から訪れる余韻も楽しめる一杯。コーヒー好きにはたまらない味です。
琵琶湖ブレンドは、フルーティーな香りであっさりとした飲み心地。最後にほんの少し酸味が訪れるのも特徴の一つ。あまり普段コーヒーを口にしないという方でもさらりと楽しめる一杯となっています。店内では日によってラインナップは変わるものの、県内の焼き菓子やパンなども取り揃えられているので、美味しいコーヒーと共に味わってみては。
カウンター席から見える日本庭園も、コーヒーの味わいに華を添えてくれそうですね。
今後はさらにコーヒーの種類も増えていく予定とのことなので、訪れる度に楽しみが増えそうです。コーヒー以外にも農薬・化学肥料を使用しないこだわりの紅茶も楽しむことができるので、コーヒーが飲めないという方も気軽に訪れてみて下さい。日によって変わる焼き菓子などのラインナップは、インスタグラムをチェックして下さいね。
2月2日にオープンしまだ間もない「MOV’S TOWN&COFFEE」ですが、早くも町の方から「美味しいコーヒーをゆったり楽しむ場所ができて嬉しい」など喜びの声を頂いているとのこと。『ゆっくりいろいろなことを考えたりお話できる場所にしてもらえたら。また、せっかく滋賀の中心地である大津にあるのだから、ここ大津のまちづくりを支援できる場所、大津についての話を楽しくできる場にしてもらえたら』と話されていた奥藤さんのお顔が印象的でした。
取材当日は肌寒い日でしたが、あの素敵な空間とコーヒーとの幸せな余韻がお店を出た後も心と体をほっこり温めてくれていました。是非お仕事や家事の合間、ランチの後のティータイムに本格コーヒーと、居心地のいい空間を味わいに訪れてみて下さいね。
(文・りーしゅん)
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りーしゅんライター
店名 | MOV’S(town&coffee) |
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TEL | 077-526-8881 電話の際はモアを見たというとスムーズです |
住所 | 520-0057 大津市御幸町1-56 |
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