
岡本太郎(1911-1996)は自身の創作について、「一般大衆にじかにぶつかる、社会に開かれた芸術を実現したい」と記しています。1952 年に陶壁を手掛けた岡本は、芸術が人々の身近にあることの大切さを述べています。≪犬の植木鉢≫で量産を試み、信楽で手掛けた≪坐ることを拒否する椅子≫では、人と直に触れ合うアートの在り方を探っています。
戦後復興期からは建築家・デザイナー・芸術家により建築陶器は、人とアートとの結びつきを強めていきました。岡本太郎が信楽で手掛けた大阪万博の太陽の塔は、多くの人々の記憶に刻まれています。こうした陶産地と岡本太郎の出会いのなかで育まれた技術は、大塚オーミ陶業株式会社の美術陶板などの仕事に継承されています。
また、岡本太郎は「彫刻はより肉体的であり直接的で実体がそこにあるモノの強さを持つ」とも記しています。アニメ・マンガのキャラクター造形は 21 世紀の大衆が求めたアートのひとつといえるでしょう。デジタル技術の進歩で、クリエーターの世界観を再現した高精度なフィギュアが生まれています。本展では〈芸術の大衆化〉をテーマに、近代の建築装飾陶器、パブリックアートや量産品のデザインを手掛けた岡本太郎らの作品を紹介。またフィギュア造形の世界や壁画の可能性を併せて取り上げつつ、岡本太郎のアートの夢、21 世紀のその先をたどります。
ODEKAKEイベント
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