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十人十家 vories cafe & Art lab(ジュウニントイエ ヴォーリズカフェ アンド アートラボ)

2021.07.10

WRITTEN BY

りーしゅんライター

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近江八幡市にヴォーリズ建築を美しく蘇らせた「十人十家 vories cafe & Art lab(ジュウニントイエ ヴォーリズカフェ アンド アートラボ)」が6/21(月)オープン!

6月21日(月)、近江八幡市に新たにオープンした「十人十家 vories cafe & Art lab」。
実はこちらのお店、築90年を越えて様々な課題を抱え、もはや修復困難と思われていたヴォーリズ建築を見事に改修させてできたお店なんです!

長年空き家となっていたヴォーリズ建築をクラウドファンディングでの資金援助を経て華やかに変身させたのは、同店主であると同時に建築デザイナーという顔も併せ持つ、田中さん。
ヴォーリズ建築特有の気品と優しさ・和洋の美しい競演が随所に感じられる店内は、訪れる客を優美なひとときへと誘ってくれます。

今回、moa編集部はオープンから間もない「十人十家」へ取材に行ってきました。気になる同店改修までの経緯やヴォーリズ建築や同店の魅力、同店イチオシメニューまで、たっぷりと伺ってきましたよ!

ヴォーリズ建築とは

「十人十家 vories cafe & Art lab」は大正13年、今から90年以上も昔にパーミリー女史の住宅として建てられた建築物。
この邸宅を建築したのは、建築家ヴォーリズという人物です。

キリスト教を布教するため、英語教師として24歳のときに近江八幡市に来日。キリスト教の伝道に力を注ぎながら、日本各地で学校・ホテル・百貨店など数多くの西洋設計を手掛けたヴォーリズ、その数は戦前だけで1500軒を数えたというから驚き。
建築物のなかには、あのアニメ「けいおん!」の舞台となった旧豊郷小学校や阪急百貨店など、有名なものが数多くあります。

またヴォーリズには、ヴォーリズ合名会社の創立者の一人で同社の製品であるクリーム・メンソレータムを広く日本に普及させた実業家という一面も。こうした数多くの功績から近江八幡市名誉市民第一号にも選ばれたヴォーリズは、多くの建築物と共に、今なお国外問わず多くのファンに愛されています。

改修までの経緯

そんな由緒あるヴォーリズ建築・旧パーミリー邸ですが、一時はヴォーリズ建築の大ファンである家主の手に渡り、「改修して人々の通うコミュニティの場になる。」予定だったものの、残念ながら改修目前に家主が亡くなり、以降10年以上も空き家と化し、売りに出されていました。

当時の姿を知る人からは、「夜に見るとまるでお化け屋敷のようで怖かった。」という声も聞こえてきたといいます。

「ちょうど自宅を探す土地や物件を2年以上探していた。」という田中さん。当時から日本の深刻な空き家問題に心を痛めていたこともあり、このパーミリー邸を購入し、自らの手で改修し甦らせることを決意。

改修費用を得るため、クラウドファンディングで資金を募る

遺族の想いを引き継ぎ、1階部分をコミュニティの場として開放することに決め、いざ改修作業へと取り掛かった田中さん。
けれども当初は予想以上の老朽化に頭を抱えていたといいます。

「とにかく空き家としての期間が長かったのでシロアリの被害や雨染みもひどくて…。特に大変だったのは土壁をとる作業。大量の土をとり、それをトラックに乗せて運んで。それを何度も繰り返して、まさに気の遠くなるような作業でしたね。」と当時を思い返し苦笑いを浮かべる田中さん。

あまりの老朽化に当初見積もっていた改修費用は予算額をはるかに超えてしまい、足りない資金をクラウドファンディングで得ることに。クラウドファンディングには、「全国的に募集することで、ヴォーリズ建築を知らない若い人にも知ってもらえる機会にしたい。」という狙いもあったのだそう。

改修後の見事な変貌に、驚きの声多数

狙い通り、若い学生や全国のヴォーリズファンから応援資金を集めることに成功。クラウドファンディングでの知名度も手伝い、オープン後は県外からも多くの客が訪れているといいます。

さらに空き家当時の姿を知る近隣の方からも、見事な変貌に驚きの声が多数上がっているとのこと。

ヴォーリズ建築の魅力

購入を決意してから、ヴォーリズ建築やヴォーリズ氏の人生について様々な本を読んで勉強したという田中さん。ヴォーリズ氏の「人と人との縁を大事に想う心」に深く共鳴し、店内にも訪れる方とつながりやすい雰囲気を出せるよう努めたといいます。

そんな田中さんにヴォーリズ建築の魅力について伺ってみると、「とにかく落ち着くところですね。また、ヴォーリズ建築は『優しい建築』と評されることが多いのですが、風通し・日差しの入り方を考えた絶妙な窓配置や間取りの取り方など、とにかく住む人が居心地よく過ごせるよう考えながら設計されていますね。西洋建築ということで、当時の日本家屋では有り得ないような近代的な考え方も取り入れられていて、とても魅力的な建築といえます。」

ヴォーリズ建築の特徴・レトロかわいいクリスタルのドアノブ

ヴォーリズ建築の特徴が、このクリスタルのドアノブ。レトロかわいいドアノブは、店内のあちこちにあるので是非探してみて。

訪れた際には、おうちの相談に乗ってもらうことも可能

さらに同店は和洋折衷のコラボレーションが楽しめるのも魅力のひとつ。田中さんの建築デザイナーとしての腕が随所に光ります。

田中さんは同店店主でありながら、現在もフリーで建築デザイナーとして活動を継続中。訪れた際には新築・リフォームなどおうちの相談に乗ってもらうことも可能とのことなので、気になる方は是非お気軽に相談してみて。

同店イチオシメニュー

現在、同店はバーとして夜のみ営業されていますが、7月下旬からはカフェタイム営業をスタートされるとのこと。

バーメニューのイチオシは、「ソーセージ盛り合わせ」と「ピザ」。

ソーセージは日替わりの3種盛り合わせ。香りとスパイスがアクセントとなり、お酒が進むこと間違いなし!

フレッシュな野菜とバジルがたっぷりトッピングされたピザは、ふわっふわのピザ生地がクセになる一品。編集部もぺろりと美味しくたいらげてしまいました。

他にもアヒージョやキーマカレー、パスタなどお酒との相性抜群なフードメニューが多数ラインナップ。

アルコールやドリンクも充実!

ビールやワイン、カクテル、日本酒など30~40種類のアルコールも充実!ソフトドリンクやホットドリンクも多数用意されているので、お子様連れでも楽しめますよ。

ヴォーリズ建築に馴染みのない方でも、たちまち虜になってしまう贅沢空間「十人十家 vories cafe & Art lab」

「十人十家」という店名は、元々改修のコンセプトにしていたもの。
ヴォーリズ建築という十字架を背負って行くんだという田中さんの意気込み・ヴォーリズ精神にも繫がる【好み・考え・性格などが、人によってそれぞれ違うこと】を意味する「十人十色」の四文字熟語の意味から名付けられたものなのだそう。

田中さんの熱い想いがたっぷりと詰まった「十人十家 vories cafe & Art lab」。
ヴォーリズ建築ファンはもちろん、ヴォーリズ建築に馴染みのない方でもたちまちその虜になってしまう贅沢空間となっていますよ!

また、日本の空き家問題の深刻化に長年心を痛めてきた田中さんが見出した、「空き家の新たな可能性」も是非その肌で感じて。

WRITTEN BY

りーしゅんライター

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店名十人十家 vories cafe & Art lab(ジュウニントイエ ヴォーリズカフェ アンド アートラボ)
TEL080-9290-5278
電話の際はモアを見たというとスムーズです
住所523-0082
近江八幡市土田町819-7

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